(合格できる実力があると思うのになぜ合格できないのか?…、回り道をせず合格したい、と考えている人に贈ります)
■ T、迷走 2 回 私は 1 次試験を 1 回目は通信講座で、 2 回目は独学で都合2回合格しました。しかし、 2 次試験については、大手受験校の通信講座を捨てて 3 回目の受験に当って AAS の短期講座等を受講したことでやっと合格することができました。
比較的簡単に 1 次試験を合格したことから、 2 次試験を安易に考えたため苦しい迷路にはまりました。理由は、「鋭い問題発見能力と高い問題解決能力で他の受験生と差別化を図れば合格に近づく」と思い込み、(不毛とは言いませんが)そのための努力という迂遠な自己流の方法に固執していたからです。迂遠な方法といっても学習スタイルが確立していたわけではありません、細部にこだわり一問一問に丁寧に解答し、工夫を凝らした解決策に力を入れるようなことでした。自己流ではありましたが折々に通信で「高い能力があります」などのコメントが書かれ返信されてきたり、模擬試験で(めぐり合わせがよく)良い成績をとったりしたため、そのような時は悦に入りますます迷路にはまっていったなと反省しています。一方、通信で悪い点数を取ったときは十分な分析も行わず、「不調であった、あまり問題が良くなかった」といった程度の反応で終わりにしていました。
1 度目の 2 次試験は準備時間も無く対応もゼロに近かったためやむを得ませんが、 2 回目の 2 次試験では自己流の学習と仕事での自分の経験(金融機関の業務に従事している)から解答を作成することにある程度自信を持って臨みました。受験後はある程度の手ごたえもありましたが、結果的には敗退したためさすがに落ち込みました。このとき初めて焦りに似た感覚を覚え、自己流では駄目で周到な計画と十分な受験対策を練らなければ合格は難しいという当たり前のことを分かりました。(石原先生から頑固者と呼ばれている所以です)
■ U、 AAS との出会い
平成 17 年は 6 月に体調不良が発生したため 1 次試験を受験することも止め、このまま診断士とは縁がなくなるのかな…といった思いのまま 1 年近く学習から遠ざかりました。しかしながら、不完全燃焼への後悔と診断士の事例問題のショートケースとしての興味深さから受験を捨て切れませんでした。
一から出直し学習方法をかえ合格する!と決めたのはよいが、さてどのように近道を探すか。もう失敗は許されない、家族の信頼もなくしかねない。傾向的に納得しなければ前に進みたがらないタイプの私は、多くの選択肢の中での一つのつもりで気軽に 3 月の「合格判定合宿」を受講してみました。この合宿だけで AAS が私のタイプにピッタリだとすぐ納得が得られました。何より、思い込みを厳しく指摘してもらえること=「それはあなたの枠組みで、診断士の枠組みで考えていない」、 SFW (スーパーフレームワーク)の考え方と活用、 MECE で考える、等々は大変刺激が多く出直しのために頭を整理するには最適だと考えられました。
■ V、それでも苦労、そして先生の言葉
AASのスタイルで受験すると決めても、長く自己流で学習したクセから抜け出すために苦労しました。特に、「問題文の制約条件が抜ける、細かいことが気になり全体のストーリーに悪影響する、ひどいときは問題文を勝手に解釈し自説をのべたがる」などは数回受けた合格判定合宿で厳しい指摘を受けましたが、やはり、「鋭い問題発見能力と高い問題解決能力で他の受験生と差別化を図れば合格に近づく」といった思い込みから十分抜け出ていなかったためと反省しています。
AAS の本科生には出遅れましたが、 8 月からの短期コースには積極的にエントリーしました。受験の直前まで、考え方や解答文章のスタイルを矯正するためです。
ここで、私の肩の力を抜いてくれた石原先生の言葉に出会いました。 「診断士の試験では金太郎飴のような解答を求めている。 その解答が診断としてのものの見方や枠組みが身についていることを証明する。解答の個性は必要ではなくむしろ標準化された解答で設問に素直に解答していく(カバーしていく)。そのカバー率で勝負していくのだ」といった趣旨でした。最初は、金太郎飴のような同様の解答?そんなものを求めているのか?といった疑問はありましたが、先生の教えだからと虚心に反芻していてヒントが見つかりました。なぜ受験校で成績のトップの人が試験に落ちる例が多いのか?それはトップを取るべき解答を追求するため、細部にこだわり部分最適に陥り全体のストーリーと無縁の一貫性の無い解答を作成してしまうからだろう…。
■ W、私が受験について辿り着いた結論
「理念・ SWOT ・全体戦略・機能別戦略・具体的対応策の フレーム・レイヤー を意識して、事例のTからWのそれぞれの ストーリー の中で、組織から財務までの問題それぞれについて 戦略的に 考えること」が試験で求められる診断士の枠組みである。この診断士らしい戦略的思考ができるかを問うのが 2 次試験である。従って、診断士の試験では表現こそ違え金太郎飴の解答になる。試験に合格するためには「差別化にこだわらず」肩の力を抜いて、診断士としての標準モデルの解答をできるだけ多くの設問に対して作成していくことが合格に近づく。特に、 AAS の SFW は一歩引いた視点を設定してくれるツールである。
また、「標準」とはいえそれには AAS でいう MECE 、論理の構造化等といった論文としての一定レベルの基礎力を涵養する必要がある。ただし、それは難しいことではなく論文作法なのだと考えれば対応しやすい。また、標準のクリアーのためには当然 1 次知識は必要条件である。( AAS では 1 次知識は常識といった前提で講義が進められるため、2次に必要な1次知識は時々に復習しておく必要がある。) 結論は以上
この結論は思い込みの強い私にとっては悟りといっても良いものでした。「特に差別化は必要でない」、「標準レベルの力を、設問に即した解答で提供すること」で勝負する。このことのお陰で肩の力が半分に軽減されました。
問われたことを素直に答えるという試験の本質が分かってきたら、あとは「過去問」をしっかり分析・賞味することです。私は、 AAS の合格判定合宿などで勉強を進めていたとはいえ自己流の脱皮に苦労していたため、この「悟り」をもとにアシストゼミなどにより大慌てで最後の追込みにかかりました。
過去問研究が合格に直結するのは疑いの無いところです。なんどもアプローチすれば何度も新しい発見があります。その例を一つだけ事例Vから紹介します。平成16年度事例Vの第2問の解答について、多くの受験校で「設計部門の 同行 」を解答例に挙げてあります。その解答が「同行が物理的に可能かどうかわからない思いつきの解答」ではないということの根拠は、事例文12段落の「製品の引渡しは営業部と製造部が立ち会って、客先で行われる」にあります。同行は物理的に不可能でない事をここで与件文では証明しているのです。このように過去問はきわめて細部まで論理的にできており、解答に当っては一文たりとも軽視できないことがわかります。角先生からアシストゼミでこの点の指摘を受けたときは目からうろこが落ちる気持ちでした。だから「過去問はト・モ・ダ・チ」と言う合格者がいるのでしょう。
■ 最後に〜
私は自己流の受験勉強を通して自分の欠点を再認識することができました。また、それを反省しての AAS との出会いで、熱い思いをもった多くの人とも知り合いになることができました。この出会いは、もちろん合格する手段ではありましたが、それ以上のものをもたらしてくれたと思っています。ただ合格しないことには、この出会いを素直に宝物にすることはできないと思います。実力を発揮して合格するために AAS のスタイルを十分に吸収し、また自分の弱点( W )に早期に気づき受験までには矯正し合格をその手にして欲しいと思います。書く訓練・練習もして下さい。今からでも全然遅くはありません。苦労をした受験の先輩の一人として応援しています。 |