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合格体験記>平成17年度 第2次試験合格体験記

秘訣はPDCAと諦めないこと」 恒川 和之

 

■はじめに

平成16年度からの2度目の挑戦で、中小企業診断士試験2次試験に合格することができました。一年目は、模試すら受けずに完全な独学、2年目は2次に絞って大手受験機関の通信講座を利用してのチャレンジでした。

地方在住のためインターネットでの合否確認でしたが、中小企業診断協会のサイトに自分の受験番号(300001番という、すごい番号でした)を見つけたときには、受験準備中の苦労が思い出され、本当に大きな解放感と達成感を味わうことができました。

私が2回の受験という比較的短期間で合格できたのは、受験機関の指導の他、本当に多くの幸運に恵まれた結果でした。中でも、地元の書店でAASの「診断助言事例ワークブック」を見つけたことが、その最たるものだったかも知れません。

本当に有難うございました。

中小企業診断士試験に限らず、資格試験の受験においてもPDCAのマネジメント・サイクルを回していくことが必要です。受験機関に通学せず学習する場合には、特に重要だと思います。具体的には、学習の計画を立て、それを実行し、一定のサイクルで自分の実力を確認し、対策を講じるわけですが、中小企業診断士試験は、他の資格試験に比べてもPDCAが回しにくい試験だと思います。詳しくは後述しますが、独学者にとって、診断士試験はPDCAの“C”が非常に難しいのです。自分の実力のチェックが、出来ない、または難しいため当然、対策も講じられません。従って、大きな不安を抱えながら、試験会場に赴くことになるのです。

診断士試験においては、模試などの受験はもちろん、やはり受験機関、それもできれば通学コースを利用することが非常に有効だと思います。それができなかった私の体験談を以下に記します。ご参考にしていただければ幸いです。

■1次試験

*受験準備

私が中小企業診断士の受験を決意したのは、平成16年の1月のことです。本格的に受験準備を始めたのは2月の初めでした。

仕事の関係と居住地の地域的な問題から通学はできず、通信講座での学習も苦手だった私は、独学でこの試験に挑戦することを決めました。

当時、地元の書店には診断士試験関連の書籍は少なかったのですが、基本書となるテキストと問題集を購入し、受験準備を始めました。

当初の学習計画は、1週間1科目を基本書で学習し、週末に問題集を解いて、結果に関わらず、次の科目に進むというもので、そのサイクルを取り敢えず2回転させました。

6月に入ってからは、1週間に2科目のサイクルでさらに2回転させ、7月の後半には最初に購入した問題集は、ほぼ完璧に解けるようになっていました。

試験まであと2週間という段階で、最終チェックのつもりで、もう1種類、問題集を購入し解いてみた時に、大変な事態に気付きました。

過去に別の資格試験を受験した経験からすると、1種類の問題集が完璧ならば、他の問題集でも7〜8割の正解率が出せるはずでした。しかし、診断士試験では1次試験2週間前の時期だというのに、新しく買った問題集に全く歯が立たなかったのです。正解率は5割を切っていたと思います。それからは大変でした。残りの2週間で購入済のテキストを復習するとともに、関連書籍を5〜6冊買い込み、睡眠時間4時間で、死に物狂いのインプット作業を行いました。しかし、結局、マネジメント・サイクルも何もあったものじゃないという状況で、試験当日を迎える羽目になってしまいました。

*1次試験当日

1次試験は、前日からホテルに泊り込み、東京で受験しました。1日目用に10冊程度参考書を抱え上京し、2日目用には数冊、宅急便でホテルに送りました。不安を抱えたままの受験となった1次1日目、財務・会計で大失敗をしてしまいました。学習時に、ついつい時間と手間を惜しんで電卓を使っていたのが敗因でした。筆算による計算で何度もしくじっているうちに、時間が足りなくなってしまったのです。ある受験機関が会場で配っていた模範解答によると、どう都合よく配点しても、40点に届きませんでした。後日、他の受験機関の模範解答では、どうにか40点を超えそうだと分かりましたが、その時はモチベーションが上がらず、わざわざ宅急便で送った参考書を開くこともなく、そのまま送り返しました。2日目の試験は、来年のための予行演習のつもりで、非常にリラックスして受けたことを覚えています。

■2次試験

*受験準備

平成16年度は1次の解答などは公表されず、発表までの間、自分の合否を推測しようがありませんでした。特に私は総得点はともかく、財務で足切りの可能性があったため、どうしてもモチベーションが上がらず、夜中までオリンピックを見て、8月を過ごしてしまいました。9月に1次の合格を知り、慌てて、購入だけはしていた2次用のテキストと問題集で準備を開始しましたが、8月まで1次に集中し、2次用の対策をしてこなかった私の学習プランは、2次本試験1ケ月前にして、既に次年度に向けられていました。

16年度の2次試験は案の定、不合格になり、12月より17年度2次に向けての学習を開始しました。16年の2次試験は1次知識の整理などを中心に準備を行い、模擬試験のつもりで受験しました。(もちろん、あわよくばの気持ちはありましたが・・・)

その経験から分かったことは、1次知識が絶対的に足りていないということと2次は独学では難しいということでした。1次知識については、特に生産管理と財務の知識が足りておらず、3月ぐらいまでは1次知識の習得、整理に力を注ぎました。平成17年になると、何故か書店に多くの中小企業診断士受験関連本が並ぶようになっており、助かりました。特に事例VとWは知識による部分が大きく、1次知識の体系的な整理が不可欠です。   

私も1次の財務・会計は足切り寸前だったのですが、1次知識の習得を進めることで、事例Wを比較的得意な科目にすることができました。

独学では難しいという意味は、自分の書いた答案の評価を自分ではしにくいということです。問題集の模範解答と自分の解答を比べたときに、財務の計算問題以外では、似たような内容にはなっても、全く同じになることはあり得ません。また、過去の本試験の解答についても、受験機関によって模範解答が異なっており、唯一無二の正解がない問題で、自分の答案が、いったい何点取れているのか、自己採点に非常に悩みました。

私は自分自身のペースでPDCAサイクルが回しづらくなるという理由で、通信講座が苦手でしたが、“C”ができなければPDCAもないと、結局、大手受験機関の通信講座を利用することにしました。

 講座については、各受験機関で本試験の模範解答が異なる中でも、そのレベルで解答すれば不合格にはならないのだろうと考え、自分の考え方や解答と照らし合わせ、目指すべき模範解答を作成していた受験機関を選びました。

4月以降は、受験機関の通信講座を中心に、事例を解くことに集中しました。合間の時間に1次知識の復習をするとともに、問題集や「企業診断」掲載の事例問題も活用し、1日1事例の解答および分析を続けました。

8月には、その受験機関が行った2日間の強化ゼミにも参加し、それなりに実力がついてきたという手応えを感じ始めていたのですが、心には漠然とした不安がつきまとっていました。というのも、受験機関や既存の問題集では、どの事例問題においてもSWOTをきちんと行い構造化して、正しいプロセスで考えれば、(自分がそれを出来るかどうかは別問題ですが・・・)必ず、1つの解答にたどり着くように感じていたからです。

あくまで私見ですが、受験機関の事例問題では、きちっとした正解が用意されており、それから外れる解答は、妥当性があれば部分点はもらえるものの、やはり不正解なのだと感じました。(診断士試験は、ある意味、部分点の取り合いだとは思いますが・・・)

それは、通信講座という制約の中で受講生を効率良く合格レベルに導くには、非常に良く出来た手法であり、私自身も独学では考えられなかったほどレベルアップしたと実感もしていました。しかし、受験機関の模範解答でさえ、異なったものになる中小企業診断士の2次試験において、果たして、それだけでいいのだろうかという疑問が頭から離れませんでした。通学生ならば日頃の講師とのコミュニケーションで、そうした疑問を払拭して、よりレベルの高い学習を進められるのでしょうが、通信講座利用の私にとっては、用意された正解にたどり着くため、と感じる学習方法で、あの得体の知れない本試験、特に苦手の事例Tに対応できるのかどうかが不安だったのです。

8月は漠然とした不安への対策を立てることが出来ないまま、事例を解き続ける毎日でした。そんな頃、50以上の事例を3回転させて、書店に新しい問題集を探しに行った時に、見つけたのがAASの「直前対策模擬試験問題集」と「診断助言事例ワークブックT・U」でした。AASのことは「企業診断」で知っていました。「企業診断」に各受験機関が掲載している事例問題を解答練習に利用していたのですが、私にとって、一番解答がしづらく、しかし本試験に近い問題を掲載していたのがAASだった気がします。そのAASの教材を利用し、「正解ではなく論理の妥当性で勝負する」という考え方に触れる事で、おぼろげながら、自分の不安に対する対策が見えてきました。

診断助言事例ワークブックの「設問の構造化」や「論理の構造化」のスーパーフレームワークは、実に良く組み立てられたツールだと思います。各機能戦略の関わり方が分かりやすく説明されており、全体としての理解に非常に役立ちました。事例TとVについては、AASと受験機関のものを参考に自分なりのフレームワークを作り、事例UとWはAASのフレームワークをそのまま使用することにしました。そのフレームワークを使いこなすため、従来の事例解答に加え、ワークブックで勧められていた2003年から2005年の中小企業白書の成功事例をフレームワークに当てはめ分析し、自分なりの問題を考え、解答する練習を行いました。そのため9月は、また睡眠時間4時間の日々が続いてしまいましたが、非常に充実した時間だったと思います。

*2次試験当日

本試験では、夏のゼミでお世話になった受験機関の主任講師の先生が、明治大学に来ておられ、握手をしてもらいました。夏の強化ゼミのみの参加だった私の顔を覚えてもらっていたことに感激し、すこし緊張がほぐれた気がしました。おかげで、2次試験の独特な雰囲気の中、苦手の事例Tでつまずきながらも、何とか合格することが出来ました。

事例Tは、2005年版の中小企業白書に記載されていた「経営革新における経営者の役割」の項が、先ず頭に浮かびました。それが頭を離れず、結果として、かなり偏った、おかしな答案を作ってしまった気がします。また、前年も感じたことですが、今年も 100 字前後の設問が多く、 150 字から 200 字の長文の設問はありませんでした。事例UやVでは 100 字や 120 字では足りず、「もう少し、説明させてくれよ。」と感じる設問が多く、苦戦しました。この傾向はしばらく続くと思われるので、自分の考えを整理し、場合によっては、取捨選択する訓練が今まで以上に必要になってくると思います。

■終わりに

最初にも申し上げましたが、中小企業診断士試験,特に2次試験は独学でPDCAサイクルを回して、学習するのが非常に難しい試験です。私の合格にも、ここには書ききれなかった多くの幸運があったことは否定できません。できれば、AASなどの受験機関への通学をお勧めいたしますが、それができなきないとしても、決して合格は無理という試験ではないと思います。諸々の事情で、独学や通信講座での受験を志す方でも、インターネットや雑誌などの情報に常に気を配り、自分なりの学習をPDCAで回すことが出来れば、合格は可能です。後は、決して諦めないことです。私自身、受験準備中はドタバタで緻密なPDCAとは程遠い時間を過ごしてしまいました。また、1次の財務や2次の事例Tで思い通りの答案を作れなかった時には、残りの試験を放棄して帰ろうかと思ったほどでした。しかし、最後まで泥臭く粘ることで、何とか合格することができたのです。

本試験では、全く解答が浮かんでこない設問に出くわし、頭が真っ白になってしまうこともあるかも知れません。そんな時には、目を閉じて、ご自分が積み重ねてきたものを思い出して下さい。積み重ねた努力を思い出せば、鉛筆に魂が宿ります。絶対に零点にはできない、気迫のこもった解答が作成できるはずです。平成18年度受験予定の皆様も、ご自身の合格を信じ、最後の最後まで諦めることなく頑張って下さい。そうすればきっと、充実した時間と自信、そして合格という大きな喜びを得られることでしょう。

最後に受験準備中は、家族を初め、本当に多くの人の助けを受けました。

この場を借りて、お礼申し上げたいと思います。有難うございました。

平成17年度 第2次試験

 
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