第1問 中小企業診断士 池之内健二朗
答率の高い問題で確実に得点することが、合格への最良の方法です
この問題は、受講生のほとんどが高得点を挙げられたようです。与件文の記述から、問題点は容易に抽出できたのではないかと思います。
こういった比較的正答率の高い問題では特に、絶対に避けたい事があります。それは、設問の制約条件の読み飛ばしたり、考えすぎのあまり問題点の一部だけをクローズアップした経営指標値を答えてしまうことです。大きく失点してほかの受験生に後れを取ってしまいます。この失点をほかの設問で取り返すのは、意外と難しいのです。確実に取れるところで点数を取るように「制約条件」「的確な問題点の抽出」には注意してください。
また、過去問の傾向から今年もこのような形式の設問が高い確率で想定されます。対策は十分に行ってください。
第2問(設問1) 中小企業診断士 池之内健二朗
答えがわかっていても、解答用紙を埋めないと点数になりません
キャッシュフローの計算そのものは、ほとんどの皆さんが正解でした。ただし独特の出題形式のため空欄を作ってしまい、結果として十分な得点が得られなかった、という残念な答案が半数でした。
ここで特に言及しておきたいのは、「投資活動キャッシュフロー」が空欄の答案が数名あった点です。設問に「投資活動キャッシュフロー…中略…計算し、解答用紙の回答欄に記入せよ」と記載があるので、「投資活動キャッシュフロー」に関する加算をしませんでした。
ささいなミスの蓄積が大きな得点差を生みます。気をつけてください。
第2問(設問2) 中小企業診断士 池之内健二朗
型にはめた答案作成ができる!
キャッシュフロー計算書を作成し、それを踏まえて、「状況」をコメントする設問は、型にはめて、答案を作成することです。まず、結論で「状況」をあげ、その内容を「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」の3つのかかわり(因果関係)がわかるように表現することです。その際には、「キャッシュイン」や「キャッシュアウト」などのキーワードや結論で導いた根本的原因(売上債権の増加など)を盛り込むことです。過去数回同じような出題がありますので、しっかりと答え方の枠組みをインプットしておきましょう!
第3問(設問1)(設問2) 中小企業診断士 池之内健二朗
過去問で問われたことのある計算問題は確実に得点できるようにしましょう
第2問(設問1)を正解された方は、ほぼ全員正解されていました。しかし、中にはフリーキャッシュフローの計算方法がわからず得点できていない答案がありました。過去問で問われたことのある計算問題はそんなに多くありません。確実に得点できるように、今のうちから実力をつけてください。
第4問(設問1) 中小企業診断士 池之内健二朗
企業の今後の戦略について答えるとき、まず「強み」で「機会」をとらえましょう
今後のD社の方向性を答える問題です。方向性についてはほとんどの受講者が正解できていました。ただし、その理由として「弱みや脅威を回避できるから」とだけ挙げている答案が多かったため、この設問はあまり点数が伸びませんでした。
中小企業診断士が企業の方向性を提案するとき、まず「経営理念」や「SWOT分析」の結果からその企業のあるべき姿を導きます。D社およびそれを取り巻く経営環境には、明確な「強み」や「機会」があります。その強みで機会を捕まえるのが企業の成長戦略、今後の方向性です。「今の事業が厳しいから新しい事業をしてはどうか」、という提案は基本的にはしません。新しい事業でも厳しい可能性があるからです。
基本的なことですが、計算問題を含む財務事例では、意外と忘れがちなことです。どのような事例問題を解く場合でも、このことは意識しましょう。
第4問(設問2) 中小企業診断士 池之内健二朗
設問間の一貫性を意識しましょう
D社が新規事業を行うとき、第1問で挙げた問題点が再び発生しないようにするにはどう対応すべきかが問われた問題した。しかし、ほとんどの方の答案は、「新規事業への人材をどのように調達するか」に終始していました。そのため、この設問で高得点を取った受講者はいませんでした。第1問で挙げた問題点が再発する可能性が十分にあるので、できればこの点を答えてほしかったところです。
とはいえ、本試験では題意が曖昧で答えづらい設問も必ずあります
題意が曖昧で答えづらい設問でしたが、本試験ではこのような問題もあります。個人的にはこのような問題を捨て問と割り切る勇気も必要だと思います。
本試験を意識すれば、このような曖昧な問題に引きずられタイムマネジメントの失敗や焦り等により最悪の結果になることは、絶対に避けたいところです。得点できるところを確実に取る実力と冷静さを、日頃の訓練の積み重ねによって獲得してください。 |