第1問 中小企業診断士 那智 久代
解答の「書き方」で悩まない
第1問の書き方は、解説であったように、「問題点は、原因(事例から)により、勘定科目に影響し、収益性/効率性/安全性が悪化(低下)した」という型で表現すれば、“最低限”言いたいことは伝わります。内容が正しくても、言いたいことが伝わらない解答では得点につながりません。恐らく、「分かって」いながら、文章表現が原因で、そのことを「伝える」ことができていない人が多いのではないかと思います。分かっていながら得点が低かった方は、表現力の問題ですから、事例Wの理解力について問題視する必要はありません。
第1問は計算問題ではなく「SWOT分析問題」と心得る
財務会計の財務分析問題は、SWOT分析に他なりません。さらに、設問の意図は問題点の指摘であり、自社の財務的な戦略で解決するという事例の性質から考えれば、注目すべきは「W:弱み」なのではないでしょうか。今回の事例では、問題点として「百貨店業態の競争力が落ち」や「競合店との差別化」「価格競争」といった外部環境の要素が多かったので、そちらに目を奪われている人が多かった印象を受けます。事例Wは、どちらかというと自力で解決する方向なので、外部環境の脅威そのものを問題にしても、財務的な解決策に結びつきません。「自社ができていないことは何か」という点に注目すれば、引用すべき与件の箇所は自ずと絞り込めたのではないでしょうか。
第2問 中小企業診断士 那智 久代
第2問は財務レバレッジについて計算方法と知識を問う問題でしたが、残念ながらほとんどの方が出来ていませんでした。
(設問2)では、「自己資本」と「他人資本」の「使い分け」について問われていたので、わからないながらもそれらのキーワードを使って解答を書いている方には加点しています。何を解答していいかわからない問題が出たときこそ、問われたことをそのままひっくり返して文章を作ってみましょう。今回であれば、「他人資本と自己資本の使い分けは、(運用を考慮すると)XXXXである」のような骨組みになります。これは、自分の頭を整理するのにも役立ちます。こういう内容が求められていると理解し、そこに1次知識の「財務レバレッジ」が閃いたらしめたものです。満点ではなくても、加点の期待できる解答が作成できるのではないでしょうか。何を解答していいか分からない問題への1つの対処法として活用してみてください。
第2問(設問2) 中小企業診断士 加藤 仁史
設問のヒントをフルに活用して
この問題は大変難しかったようで、4点獲得している人が最高だったと思います。解答例のように書けている人はいませんでした。そのため、内容が正しくなくても問われていることに素直に答えている答案には、2点を加算しました。素直に答えているとは、「自己資本と他人資本の使い分け」について書いてある答案です。
この「自己資本」と「他人資本」のように設問文で二つについて問われている場合は、それぞれを詳しく答えるのがベストです(解答例参照)。何故ならば、中小企業診断士が好きなMECEの書き方になるからです。そのように書けと設問文で指定していると思っても良いでしょう。例えば、平成21年度事例Vの第4問(情報問題)も同じように、「見込生産」と「受注生産」の二つについて問われています。それぞれで「重視すべき情報」と「管理ポイント」を書けば答案は出来上がります。
設問文にあるヒントを見逃さずに、より得点が稼げる書き方を身に付けてください。
第3問 中小企業診断士 鈴木 たすく
(設問1)の計算問題の正答者は(a)欄が3名、(b)欄が0名という結果でした。正味現在価値の問題ですが、今回はリースとの比較という過去問でも出題されていない論点でかつ難問であったことから現段階では正解できなくても仕方なかったと思います。逆に、(設問1)では差がつかないためこういうケースでは(設問2)の記述が重要になります。(本試験でも同様です。)
(設問2)は一般論的な問題であるため妥当性があれば加点されます。分からなくても何か書きましょう!1点でも多くとるんだという食らいつく姿勢が大切です。また、「購入」と「リース」の「長所」と「短所」が問われていますので、記述の際は主語・述語の関係など読みやすい答案づくりを心がけてください。
第4問 中小企業診断士 加藤 仁史
空欄を作らない姿勢が素晴らしかった。本試験もその調整で。
合宿受講生全ての方が、何らかの答案を書いていたことは素晴らしいと思います。何も書かなければ、絶対に点は入りません。計算・数字は○か×かですが、文章答案は部分点が入る可能性もあります。その数点の部分点が合否を分けるのです。
一般論で答えるためには一次知識が必要であり、広い学習範囲全てを学ぶのは難しいと考える人もいるでしょう。そんな場合は石原講師の言葉を参考に、本年度の一次試験で出題されたところを中心に学習を進めるのも良いでしょう。これは、残りの学習時間との相談、費用(時間)対効果で決めましょう。
学習をする・しないに関わらず、判らない問題が出てしまうこともあります。そんなときでも諦めてはいけません。設問や与件のキーワードをヒントに何かを書きましょう。特に設問や設問与件のキーワードがヒントになりやすいです。長いカタカナキーワードなどをそのまま使って、できるだけ文字数を稼ぐのも一つの手です。
最後になりますが、問われたことに素直に答えることが得点につながる一番のポイントです。設問に書かれていることに忠実に答えるのです。「商品別の収支認識をどのような方法で行えばよいか」に素直に答えなければ、キーワードが合っていても点にはつながらないのです。これは、二次試験全て同じです。 |