第1問 中小企業診断士 村上 昌隆
強みを解答するときは、全体戦略を意識して解答すること
A社の“強み”が問われた設問でした。そもそも強みは何のために問われるのでしょうか?本試験でもそうですが、与件文にはA社の強みが多く記述されている場合があります。強みを解答する際は、記述されている強みを全て解答する必要があるのでしょうか?答えはNoです。制約条件を踏まえるのは当然のことですが、事例で提案する全体戦略に“活用できる”強みでなければ解答する意味がありません。本事例で言うと、第5問で全体戦略としてオリジナルサプリメントの開発・販売を提案するのですから、解答する強みは、オリジナルサプリメントを開発できる能力・販売できる顧客対応力となり、これ以外は無駄な解答になります。繰り返しになりますが、全体戦略に活用できる強み以外を解答しても得点はないものと肝に銘じておく必要があります。強みを解答するときは、与件に記述されている強みを列挙するのではなく、全体戦略を特定し、その戦略に活用できる強みを解答してください。
第2問 中小企業診断士 藤原 正幸
制約条件から多面的な視点の切り口を導き出そう!
本設問は、多面的な視点から理由を解答させる分析能力を問う問題です。
理由を問われた場合、解答字数が80字以上であれば切り口を2〜3個は挙げるようにし、
多面的な解答を心懸けましょう。理由を解答するときは、複数個、MECEで挙げ、字数のバランスも考慮することにより、論理性が高まり、説得力が増します。
本設問では、制約条件として「業績が悪くなってきた」と「事業の違いを踏まえた上」が設定されているため、それぞれの制約条件から切り口を検討します。
前者の切り口としては、@売上の減少、A費用の増加が挙げられますが、多くの方がここまで言及されず、「品揃えや価格、利便性で特徴のあるDGSやCVSが進出してきたため」や、「医薬品の廃棄ロスの増加や薬剤師の負担が大きいため」で終わってしまっていました。
また、後者の切り口としては、@一般医薬品事業、A調剤事業が挙げられますが、この切り口で明確に解答された方は、17名中1名のみでした。
切り口が設定できれば、「理由は、@〜により〜のため、A〜により〜のため、である。」
とバランス良く整然と解答でき、論理性や説得力が高まるということに気づいてください。
第3問 中小企業診断士 伊藤 勝彦
落ち着いて制約条件(=ヒント)を確認しましょう
人事戦略のモラール向上策に関する設問でした。制約条件は「人員構成を踏まえた上で」です。ほとんどの方が「人員構成」を「女性が多い」ということと捉えて回答されていました。与件をじっくりと読みこむと、A社の人員構成が「正社員」と「パート社員」で構成されていることが分かりますから「正社員」と「パート社員」という切り口で回答を構成できれば説得力のある回答ができたと思います。制約条件=ヒントでもあります。制約条件の読み飛ばしがないよう、しっかりと確認して、出題者の意図を外さないように注意してください。
第4問 中小企業診断士 伊藤 勝彦
戦略レベルを間違えないで
設問文で、「1店舗だけ業態転換した」「社長自ら運営した」ことが明記されています。「薬局製剤事業をはじめるにあたり」、この施策を行った社長が期待した成果を答えます。施策を行うのは理由(今回であれば問題点)があるからです。薬局製剤事業をはじめるにあたっての問題点は、与件文8段落から、「専門性がないこと」と「ベテラン薬剤師などの消極性」であることは明らかです。この問題点が特定できれば、組織戦略レベルで回答すべきであることに気づけたのではないでしょうか。また、この問題点と設問文の「1店舗だけ業態転換した」「社長自ら運営した」を関連付ければ切り口が決まり、妥当性のある回答が記述できたと思います。設問文が長めに記述されているときは要注意です。
第5問 中小企業診断士 杉本 茂樹
問われていることに答えましょう
短期的な売上増進策の関する設問でした。点数に大きく差がついてしまった設問です。
原因として、問われていないことを書いてしまった解答が目立ちました。設問文の制約条件に、「A社社長は管理体制の見直しはもちろん行うつもりであるが、当面の減収傾向を食い止めたいと考えている」とあるにも関わらず、管理体制の見直しを書いてしまっている解答が目立ちました。与件文を読んだとき、2ページの「いくつか非効率な点が浮かび上がってきた」以下の文章は気になったと思われます。制約条件がなければ十分OKな論点ですが、作問者はあえてそれ以外の論点で書いて欲しいと、受験生にメッセージを送ったわけです。書きたくなる気持ちはわかりますが、いくら自分が書きたくても、作問者が望まない解答は採点対象になりません。書きたいこと、書けることではなく、問われていることに答えてください。
また、戦略の方向性をドメイン(誰に、何を、どのように)で表現する場合に、与件文を引用すると、具体性がアップします。採点者は具体性の有無によって、受験生の与件理解度を判断します。あいまいな表現と、与件情報を具体的に盛り込んだ表現では、同じ論点で書かれていても、点数には差がついてしまうのです。この差は合格ラインに直結してきますので、今後のトレーニングのなかで意識してください。 |